天鷹酒造

天鷹の酒造り

伝統を受け継ぎ
伝統を超える

「辛口でなければ酒ではない」
天鷹に受け継がれてきた
創業者の想いです。

辛口で飲み飽きしない
付き合うほどに惹きつけられる酒。
先達から受け継いだ
自然と共にある伝統の味は
天鷹の自信と誇りです。

そしてまた変わることを恐れず
常に時代に先駆け、半世紀以上前、
純米酒という言葉のない時代より
米だけの酒を発売するなど、
「挑戦する酒造り」を行ってきました。

伝統の技と心に支えられ伝統を超える。

そんな喜びを日々醸しています。

すべての微生物から
動植物・人・水・地球に、
そして未来に優しく健やかでありたい
……それが天鷹の願いです

天鷹酒造は、栃木県北に広がる那須扇状地の南端にあります。そこは那須連山を源流とする川が流れ、古代から米作りが盛んな田園地帯です。気候は温暖で、一年を通して晴天が多く、“星空の綺麗な街” として知られています。(環境省:全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)において、過去4回 全国1位)

農薬や肥料等の化学製品を一切使用しない有機認証の田んぼでは、春、田に水が入るとカエルが鳴き始め、田植えの後は、オタマジャクシやタガメなど沢山の虫たちが暮らしています。暑い夏にはセミが鳴き、沢山の生き物が集まり、燕が子育てに忙しく飛び回ります。太陽の光をいっぱいに浴びた稲の葉は、光を養分に変えていきます。そして日が落ちると一転して気温が下がり、田んぼを通る風が心地よく頬に当たります。この寒暖の差が昼間に造られた養分を実に蓄えさせ、稲の実りを豊かにします。秋、田んぼの畔を歩くと、トンボが群れ、沢山の逃げ遅れたイナゴが足に当たり収穫の時期を迎えます。冬、刈入れの終わった田んぼは翌年の準備が始まりますが、生き物にとっては優しいベットとなり、静かに眠りにつきます。

酒造りは、米作り、人育り、環境つくり、
地域創り、未来創り

那須山系に降った雨水は地下深く何十年もかけて流れてきて、蔵のあたりで、地表近くになります。蔵で使用する水は敷地内の素掘りの井戸から汲み上げています。深くはありませんが、岩盤の下を流れる水は1 年を通して変わらず、汲んでも汲んでも井戸に流れ込んできて、また流れ出て行きます。酒造りには、仕込に使う水から、蔵内の清掃や洗瓶まで沢山の水を使います。その使った水は50年以上も前からすべて浄化槽に集め、微生物の力で綺麗にしてから川に戻しています。

環境にやさしい酒造り

天鷹の構内はすべて有機の認証工場ですので、できる限り薬剤の使用を控え、器具類は熱湯消毒をしています。熱湯消毒のできない機械や大型のもの、施設は水拭き、水洗いの上、食添用のアルコールで消毒します。

また使用する瓶もリユース瓶を主体に自社で洗って再利用しています。そのため、ラベルには落としやすい糊を使用します。東日本大震災を機に再建した仕込蔵は、水の配管も塩ビのパイプではなく、リサイクルしやすいポリプロピレンの配管を使用し、設置の際にも接着剤を使用せずに融着による配管をしました。またお米を蒸かしたお湯はタンクに貯めておき、事務所や店舗の床暖房に利用しています。さらに、蔵の屋根に乗せた太陽光パネルは、使用電力の約1/3 相当を発電しています。しかも太陽パネルは屋根が熱くなることも防ぎ、屋内の温度上昇を抑え、お酒の劣化防止や冷蔵倉庫の省エネにも貢献しています。また仕込蔵の外壁は火山灰土の塗り壁になっており、呼吸をするだけでなく、塗装の必要もなく将来も再生しやすい自然素材でできています。

そして、2018年には子会社として農地所有特定法人 天鷹オーガニックファーム株式会社を設立し、天鷹酒造の社員が直接米作りを始めました。冬に緑肥を育て、空気中の二酸化炭素を取込み、地力の維持向上に努めながら栽培を行うなど、“環境を守る有機農業” ではなく、“環境を良くする有機農業” を目指しています。

未来の子供たちのために

有機の商品が増えると、もっと有機のお米が必要となり、さらに有機の農地が必要となります。その結果、地域の農業や環境に貢献でき、子供たちに健康で豊かな未来を残すことができるようになるのです。しかも、酒造りを行っている社員が直接米作りに携わることは、収穫前からその年のお米の状態を感じることができます。天鷹は全量自社精米を行っておりますので、自社栽培と合わせ、田んぼごとの「米に合わせた酒造り」をすることができ、お酒の品質向上にも役立つとともに、自社の商品をより深く知ることにもつながります。

酒土不二

土とお酒は一体です。天鷹酒造はこれからも地元の農家さんの状況にあわせ、蔵の四里四方の範囲で栽培面積を増やすとともに、「米に合わせた酒造り」から「酒造りに合わせた米作り」を行い、更なるお酒の品質向上と、他にない酒造りを実現することにより、地の米・水・空気・生き物が醸す、土にやさしい“地の酒” として、世界の人に飲む喜び、薦める喜びを、そして私たち自身や地域の人にとっての造る喜びを創造していきます。

有機日本酒天鷹は、日本、アメリカ、欧州連合において
有機認証を持ち、その品質は世界に認められています。

有機日本酒天鷹は平成29年全国新酒鑑評会で、有機日本酒として日本で初めて金賞を受賞しました。その他にもInternational Wine Challenge(イギリス)、Kura Master(フランス)、Sake Challenge(ベルギー、イタリア)など世界各地のコンテストにおいても有機日本酒として高く評価されています。