天鷹通信 46号

いつも天鷹をご愛顧いただき誠にありがとうございます。
新緑が美しい時期となりました。 お変わりございませんか。
天鷹通信46号をお届けします。本号は有機認証と海外展開に関する特集です。
昨年皆様よりご好評をいただきました有機純米スパークリング生酒は来月6月に販売開始予定です。ご期待ください。

有機醸造元 5月情報   天鷹酒造 代表取締役社長 尾崎宗範
日・米・欧トリプルで認証を取得しました。
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日本とEUと、有機認証の同等性の条約が発効したのが2010年6月でした。「有機認証の同等性」とは聞き慣れない言葉かもしれません。これは、互いの国(地域)で「有機」と認めたものに対しては、互いに有機と認めましょうという条約です。
目的は今、世間で注目を集めて居るTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)と同じ主旨で、手続きの簡素化により、輸出入を活性化するためです。             
しかし、同等性条約についても互いの利害の対立や様々な思惑があり、条約が成立したからと言って、無条件に全てを認めると言うことではありません。
その例としては、EUとの有機認証については、当初EUと同等レベルの生産方法であり、かつ認証を行っていると認められた13の認定機関の認定したもののみを「同等」と認めました。理由は当時の日本の有機JAS制度では認められていても、EUの制度では認められていない農業資材を使用しているとか、また、日本産以外の輸入農産物を原料として使用した場合は認めないなどでした。また、日本の認定機関の中には、チェック機能が低く、認定事故を起こしている認定機関もあったためです。幸い、天鷹は当初よりFAO(国連食糧農業機関)/WHO(世界保健機関)による世界食品規格(コーデックス規格)での有機を目指して居ましたのでスムーズに審査も通り、「天鷹有機辛味もろみ」が EUとの同等性認定、国内第1号となり、輸出をすることができるようになりました。 しかし、皆様もご存じの通り、アルコール飲料は財務省の管轄であり、 JAS制度を所管する農林水産省ではないため、同等性条約の対象外(EU側はOKでも、日本側の制度が整っていないという理由)となってしまいました。
その後、日本の認定機関の認定レベルも上がり、現在30機関が同等性認定を行うことが出来るようになりました。そして今年の1月1日より アメリカ合衆国とも同等性の認定が始まり、アメリカに向けて有機食品等を輸出しようとする動きが活発となっています。
しかし、ここでも所管の違いからアルコール飲料や化粧品(厚生労働省の管轄)などは対象外となってしまいました。なんとも残念な話しです。     
さて、日本酒が海外で多く受け入れられていることは皆様もご存じの通りです。天鷹としてもメイン商品である日本酒を海外の方にもお届けしたいと想い、震災で一時中止していた海外での販売活動を 昨年より再開し、その手始めとして、昨年2月に ドイツのニュルンベルグで開催された世界最大の オーガニック展示会BioFach2013に出展し、今年も2月に同展示会に出展致しました。昨年の展示会でご縁が出来、昨年9月よりドイツに向けて有機清酒の販売を開始することが出来ました。
当然、EUでの認定がなければ、例え日本で認められていても「有機」として販売することは出来ません。そのため、時間の関係もあり昨年は認定を もつ輸出業者の「生産者」としての立場で、1アイテムのみ商品認定を取得しての出荷としました。 そして、それと平行して、天鷹として独自にEUでの認定を目指し、準備を進めてまいりましたが、お陰様で今年2月、EU及びアメリカにおいて独自に有機認証を取得することが出来ました。震災のため、3年ほど遅れましたが、2005年に有機認定を受けて以来、一つの目標としてきた「日・米・欧でのトリプル認証」となりました。日・米・欧の認証となりますと、世界中、殆どの国の認証を取得可能レベル、もしくは同等性認証となりますので、今後、より沢山の国々の方に有機清酒をお届けすることが出来るようになります。
 今回、海外でのよりスムーズな有機展開を目指し、認定機関もECOCERTへ変更しました。ECOCERTは有機先進国フランスに本拠地を置く世界最大規模(85ヶ国以上)で世界基準の認証を行う第三者有機認定機関です。今回、ECOCERTへの変更がスムーズだったのも、今までの認定機関ASAC(ちまたでは、  日本で一番厳しい認定機関とも言われ、JAS法が制定されて以来、今まで一度も認定事故や改善指導を受けたことのない数少ない認定機関です)で当初から世界規格を見据えてチェックして頂いたお陰と感謝しております。これからしばらくは、ASAC認定商品と、ECOCERT認定商品が混在して出荷されますが、順次、日本、アメリカ、欧州連合の認定マークを記載した商品へ変更となりますので、どうかよろしくお願い 致します。

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