天鷹通信 48号

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立冬も過ぎ、めっきり寒くなってまいりました。本格的な冬の足音が聞こえるこの頃、お変わりございませんか。
天鷹通信48 号をお届けします。本号は「酒税」の特集です。どうかご覧ください

有機醸造元12月情報  天鷹酒造 代表取締役社長 尾崎宗範

「酒税」とは。
tuusin_48_01お酒には古今東西、「税金」がかけられています。日本では酒壺銭(酒壺一個ごと)のように営業税的なものから、現在の物品税的なのも のまで課税方法は様々でした。お酒に税金が掛けられてきた主な理由は、「嗜好品」もしくは「贅沢品(!)」であるとされ、「税を徴収しやすかった」ということが一番にあげられると思います。
特に日露戦争以後、非常特別税として増税が繰り返され、明治32年には酒造税が国税の35%まで達したことをご存じの方も多いと思います。また、それにともない、同年に自家用酒の製造が全面禁止となり、高税から逃れようと密造する庶民と、税務官との攻防が繰りひろげられることになりました。
当時、酒蔵も増税に対して手をこまねいていたわけではありません。増税に反対する酒蔵が全国から大阪に集まり、「酒屋会議」を開催し、『酒税軽減嘆願書』を起草し提出する等、自由民権運動とも絡み全国で激しい反対運動を展開しました。中には逮捕され禁固刑となる者もいたそうです。
しかし結局、増税は実施され、販売量の低下から経営不振となる酒屋もあり、また、税収も減収となる結果となりました。また、明治時代にはそれまでの運上金(一定の税率や税額に基づいて収めた)や冥加金(もともとは「御礼」の意味があり、決った課税ではなかった)に代わり、免許料(定額)や免許税(稼人一人当たり)、醸造税(酒代金額に応じて)などの課税方法となり、販売前に高額の納税をしなければならなくなりました。
特に長期熟成酒は酒蔵の資金繰りを圧迫することになるため、長期熟成を止め、造ったお酒は1年で売切るようになってしまい、平安時代から続いた長期熟成酒の伝統が途切れてしまうことにも繋がりました。その後、昭和19年に蔵出税(出荷したら税金を納める)に変更になるまで、長期熟成酒受難の時代が続いたのです。
現在の酒税法は、昭和28年に制定され、「アルコール分が1%以上の飲料(溶解して飲料と出来るものを含む)」は「酒類」とされ、免許が無いと作れないことになりました。「どぶろく」などの醗酵させるものは無論、たとえ、税金を払って売られているお酒であっても、新たに蒸留したり、混和することも違反となったのです。
よく、販売せず、自分で飲む「自家用」ならば違反とならないと思っている方もいらっしゃいますが、たとえ「自家用」であっても違反となります。また、梅酒などを自分で作ることは昭和37年の改正で例外事項として認められましたが、その時の条件として、「20度以上のお酒を使用」し、「新たな醗酵をさせない」ことが条件で、ワインやビール、日本酒など20度未満の酒類で梅酒を作ると、「醗酵する可能性がある」理由から、今でも違反となりますから注意が必要です。ただ、これも飲食店や旅館等が「年間1kl以下」の量を「自店で飲ませる」ために予め税務署に届ける等の手続きをすれば可能となる例外規定もあります。また、米・麦・トウモロコシ等の穀物、ブドウ、酒類粕等も日本酒や、ビール、ワイン等と競合する可能性があるため、混和することは出来ない決まりとなっています。ただし、飲食店などが「注文を受けてから」「その場で飲むために混和」することは例外規定として認められています。
現在酒類は、発砲性酒類、醸造酒類、蒸留酒類、混成酒類の4類、17種類の品目に分類され、税額は種類、アルコール分ごとに細かく決められています。例えばそれぞれ1kℓ当たり、清酒は120000円、焼酎・ウイスキー等はアルコール分が1度ごとに10000円、ビールは222000円、麦芽を使わない「所謂第3のビール」と「ワイン」は80000円となっています。「第3のビール」はメーカーの開発努力の成果といえます。
通常、どこの国でも自国のお酒の税率が一番安いものですが、ワインの税率を見る限り主に飲用される酒類の中で一番安く(みりんは20000円)、「自国の文化よりも外圧を意識する日本」が垣間見える気がします。
また、消費税の増税が1年半、先延ばしとなりましたが、お酒は酒税にも消費税がかかっています。税金に税金がかかるという通常は考えられない二重課税です。つまり、消費税が8%ですと、一升瓶1本当たり酒税が216円で、それに対する消費税17.28円が余分にかかっていることになります。これが10%となると21.6円が税金に対する税金となります。歴史的にも現在も「税金」が密接に絡むのが「お酒」であるといえましょう。

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