天鷹通信 47号

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お変わりございませんか。今年の夏も昨年同様猛暑の予報が出ております。
どうかご自愛くださいませ
天鷹通信 47 号をお届けします。本号は日本酒の輸出と現地生産の特集です。
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有機醸造元 7月情報   天鷹酒造 代表取締役社長 尾崎宗範
日本酒の輸出と現地生産‐アメリカでの歴史と現状‐

tuusin_47_01先月6月、日本酒輸出協会の事業のため、シカゴとニューヨークへ行って来ました。シカゴでは日米協会やJETRO主催での試飲会に参加しました。ニューヨークでは、国連日本政府代表部主催のイベントとして、国連大使公邸に各国政府高官を招いて開かれたレセプションで、お酒の紹介をさせていただきました。これは昨年国連ビルで開催された試飲会に続く催事です。左の写真はその時の模様で、吉川国連大使とご一緒させていただきました。加えて、10数年続けているNY日米協会での講演会及びきき酒会でした。講演会では下記の写真のようにジョン・ゴントナーさんが登場しました。

 

 

 

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今回、改めてこの10数年の変化について実感する出来事がありました。
初めて米国に行った頃は、日本酒の造り方を理解している方はほとんどおらず、持てないほど熱々のHot Sakeが清酒の飲み方だと思われていました。また、清酒はお米の上からアルコールを流して造るのかと真顔で聞かれたり、吟醸香についても、何を入れているのかと、よく聞かれたものでした。
それに対し、今、NYでは900種類以上の地酒が飲めるといわれ、ポピュラーな飲み物として、日本食のレストラン以外でもメニューに日本酒が並ぶようになりました。また、日本酒について理解されている方々も増え、質問の内容も大変専門的になりました。これは、「日本酒」の魅力と可能性について、普及に尽力された先達の努力の賜物と、また日本酒自体がもつ普遍的価値のためだと思います。
そして今回、日本酒の普及がアメリカにおいて新たな段階に入ったことを実感する出来事が2つありました。
一つは、手作り醸造所が一気に増えてきたという印象です。大手酒蔵の現地醸造所が造る清酒ではなく、地ビールのように「プレミアム サケ」を少量ながら生産するCraft Breweryが各地にでき始めたことです。
現にニューヨークでのきき酒会にもオーストラリアからSAKEを自分たちで造り始めたというご夫婦が来ておりました。また、偶然ですが、帰りの飛行機の機内誌にCraft Breweryの特集記事が掲載されており、ますますそのような時代となったのだなと実感させられました。
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もう一つは上の写真のお酒、現地の大手酒蔵の醸造した純米大吟醸です。実は、今回イベントの合間にレストランや販売店を回らせていただいた際に何軒もの方から「面白い酒が入ったんだけど、みてみない?」と言われました。それがこのお酒。今までと違うところは、アメリカ産の山田錦を使用し、すべてアメリカで醸造されたということです。とてもバランスがよく、「教科書的」な純米大吟醸酒でした。「…今まで飲んだアメリカ産のお酒の中で一番よい」、「とうとうアメリカ産の酒の品質もここまで来た!」というのが、飲まれた方々の感想でした。価格は天鷹の純米酒よりも安いそうです。まだ限定発売とのことですが、直に量産されることでしょう。「いつか必ず技術は追いつかれる。原料のお米も世界の中には栽培に適した土地があるから、現地産の酒造好適米が作られるだろう」。そうお酒の輸出を始めたころから思っていました。しかし、このお酒の登場によって、ついにその時代が来たかと思いました。
これからは、「美味しい」のは当たり前であり、そこにどんな価値を付加できるかが問われる時代だと思います。
もう一つ、時の経過を物語る出会いがありました。それはNYのレストランAteraのスコット・キャメロン氏とお目にかかれたことです。この店は予約が6週間待ちという高級店。キャメロン氏は昨年暮れ、「ニューヨークタイムズ」にお奨めの日本酒としてTentaka Kuni(日本名‐ 国造)を写真入りで紹介してくださいました。
「10年も前からTentaka Kuniが好きだった」というスコット氏の言葉は嬉しさと同時に、それだけ時間も経過したことを、ますます印象づけてくれたのでした。
tuusin_47_04キャメロン氏と

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