天鷹通信 44号

いつも天鷹をご愛顧いただき誠にありがとうございます。
9 月に入りましても30 度を超える日々が続いております。秋の涼しさが恋しい今日この頃です。
お変わりございませんか。天鷹通信 44 号をお届けします。
本号は「氷温熟成」の特集です。
秋のお酒「ひやおろし」が出る頃ですが、夏の名残の特集をお楽しみください。

有機醸造元 9月情報   天鷹酒造 代表取締役社長 尾崎宗範
日本酒の氷温熟成とは?

tuusin_44_01お酒の熟成には、温度、光、酸素濃度、アルコール分などが影響します。これは、昨年11月号の日本酒の熟成についてでもお伝えしました。今回は温度、特に氷温での熟成です。「氷温」とは氷点下0度以下で、食品などが凍らない温度を指します。水は 0度で凍りますが、食品の多くは0度では凍りません。理由は、水(水分)の中に溶け込んでいる物質(糖分やアミノ酸などの水溶物)があるためです。 お酒もアルコール分を含むため、0度では凍りません。しかし、この温度帯はとても重要な意味があります。
お酒の熟成には、科学的熟成と物理的熟成があります。化学的熟成(酵素などの働き)は温度が低くなればなるほど、遅くなります。特に、香りのような化学的変化による熟成を遅くすることが出来、味わいとのバランスが崩れるのを防ぐことができます。しかし凍らせてしまうと、水とその他の成分が分離し、解凍した際に苦みなどが出やすくなります。
ですから、お酒の熟成を抑えるには、凍らない温度で、出来るだけ低く保つことが有効となります。この、物が凍らずにいる低い温度、それが氷温なのです。弊蔵の氷温熟成酒はこの温度帯を利用しています。熱殺菌をせず、酵素が活性化したままの生酒を熟成させる際には、特に有効です。最近は家庭用冷蔵庫でも氷温室と呼ばれるところがあり、-1度程度に保たれているようです。
しかし、お酒には-1度では物足りません。かといって冷凍庫に入れてしまいますと、通常は凍ってしまいます。そこで業務用のマイナスの温度設定の出来る冷凍庫を使用して、お酒の凍らないぎりぎりの温度で貯蔵・熟成させています。
そうすると生老香などが出ずに長期間味わいを保つだけでなく、香りと味わいのバランスのとれた熟成をさせることが出来ます。
特に、弊蔵では、酒質の劣化を避けるために、生酒は温度の高い時期には瓶詰め作業をせず、冬場に一年分の商品を瓶詰めしています。そうすると、暑い季節にも品温を上昇させずに出荷することが出来ます。手間もコストも掛かり、しかも製造年月が一見、古く見られがちなどのデメリットもあります。しかし、それよりも、本来の美味しさをお客様にお届けしたいと思い、あえて行っています。この時の貯蔵温度も氷温です。                
まだまだ残暑の厳しい季節です。氷温で熟成させた冷たいお酒と一緒に秋の味覚をたのしんでみては如何でしょうか。
因みに、今回の「氷温」という言葉は、弊蔵も会員となっている公益社団法人 氷温協会の登録商標です。この協会は「氷温」の持つ特殊性を活用した食品の保存や熟成についての啓蒙普及活動をしているところです。(http://www.hyo-on.or.jp/)ご興味がある方は、覗いて見てください。

天鷹の氷温熟成酒です

tuusin_44_02 限定品
今月号の「氷温熟成」特集はいかがでしたか?
天鷹の有機純米氷温熟成生原酒酒をご紹介します。冬に造った新酒を氷温で熟成させたお酒です。原酒ならではの深い香りと味をお楽しみください。
冷やか、オンザロックでお召し上がりください。ぜひ一度お試しを。

●有機純米氷温熟成生原酒
720ml 1,785円(税込)

天鷹通信 44号 PDF